第二次大戦中の米軍戦闘糧食
アメリカは独立戦争を経て、建国以来も数々の戦争を体験し、兵士に補給する食料の研究も、時代を追うごとに進められてきました。 そして各種保存食料をメインに、兵士自身が持ち歩き、調理の手間の掛からない携帯食料も研究されてきましたが、本格的な携帯戦闘糧食が支給され始めたのは、第二次世界大戦の頃からでした。そこでこのコーナーでは、WWU時の携帯糧食を紹介したいと思います。

その前に、まずは大戦中の糧食体系を説明しますと。

☆=平常食

☆=野戦食
   ‖
   ○=Aレーション(準戦時食)基地やキャンプで食べるギャリソンレーション。
   ○=Bレーション(温食)・・・戦地のフィールド・キッチンで纏めて調理されたり、後方より運搬された食事。
   ○=Cレーション(缶詰)・・・戦地で温食の配給が出来ない事を前提として配給される携帯食料。(一般兵士向け)
   ○=Kレーション(野戦携行食糧)・・・空挺部隊用に開発された、小型、軽量の携帯食料。
   ○=Dレーション(非常食)高カロリー、携帯性重視の非常食
   ○=航空非常食
   ○=病院食

このうち有名なのが今から紹介する C・K・D・と名付けられた携帯戦闘糧食です。一体どんなものだったのでしょう?

上記の代表的なレーション以外にも、
ジャングルレーション
マウンテンレーション
5-イン-1レーション
10-イン-1レーションなどがありましたが、 1943年中頃までは10-イン-1レーション以外のすべてが、特別の目的糧食の数を縮小する傾向で中止されました。

ちなみにテン・イン・ワン・レーションと呼ばれる、10人分の糧食を一箱にまとめたレーションは、メニューが5種類有り、中身は缶詰め、乾燥肉、野菜、ドリンク、スプレッド、クラッカー、シリアル、Kレーションなどでした。
箱の空いたスペースに、タバコや果物、牛乳なども入っていたそうです。
ダンボールもしくは木の箱に収められ、重さは約40Kgありました(52.5×36.5×18.5Cm)

これはどちらかというと携帯食料ではなく、Bレーションに近いフィールドレーションですね。


こののち朝鮮戦争時代に入り、KレーションやDレーションは廃止されていきます。
しかしCレーションは引き続き使用され、アメリカ国内では生産が追いつかず、日本でも大量にCレーションが発注、製造されました。
この時のノウハウが自衛隊戦闘糧食の開発に大いに役立つ事になります。
警察予備隊から自衛隊に変わる時、はじめに開発された国産軍事物資が缶飯なのです。

その後アメリカのレーションも開発が進み、MCIへと発展する事になるのでした。
Cレーション
Cレーション付属アクセサリーパケット
1939年より缶詰めを利用し、食料をコンパクトに纏めたCレーションが登場しました。
これは6種類の缶詰めで構成され、そのうち3種類は肉や野菜を調理したものを主体としたM-UNITと呼ばれる缶詰め、あとの3種類はクラッカーやキャンディーなどを詰めたB-UNITと呼ばれる付属物主体の缶詰めです。この主副3種類ずつのメニューから1種類ずつ組み合わせて、2缶で一食分としました。 またB-UNITの代わりにM-UNIT+パンが支給される事もあったようです。
M−NUITの中身はこのようなメニューで、重量はおのおの12オンスありました。
M−1  豆と肉料理
M−2  肉と野菜のハッシュ       (M-UNITのMはミールの頭文字)
M−3  肉と野菜のシチュー       (B-UNITのBはビスケットの頭文字)      

そしてB-UNITはビスケットを主体とし、コーヒーと砂糖+ キャンディー、キャラメル、チョコレートのどれかが入っていました。
そして後にココアパウダーやレモネードの粉末が入るようになります。

初期のC−レーションは、写真のように缶のまわりにユニット名および各種の情報が記載された帯が巻かれていましたが、その後缶に直接印刷するスタイルとなり、後に缶の上部に浮き出し文字(プレス文字)で中身の情報が記されるようにもなりました。
戦争中のある時期には、OD塗装の缶も登場したようです。
これらの缶詰めは発送時に48の缶を一まとめにして、各M-ユニット×8個、および24のB-ユニットが、釘づけにされた木箱に詰められました。その後梱包の手間を省くため、戦争中に改善されたダンボールボール紙の容器は、木製の木枠に取って代わりました。、
最終的にCレーションには、10種類ほどの追加アイテムが加えられました。
(ミートスパゲティ、ハムエッグ、ソーセージビーンズ、ポークビーンズ、ランチョンミート)など

ちなみによくベトナム戦争中に使用されたMCIレーションや、缶で構成されたレーションの事をすべてCレーションと呼ぶ人がいますが、実際Cレーションと呼べるのは、正確にはこのレーションの事だけです。
多分C=COMBATもしくはCANの略だと勘違いしているのでしょう。
このアクセサリーパケットは、缶の納められている木箱の中に一緒に入っている付属品です。この写真についての詳しい解説が無かったので、あくまで推測ですが、左上からティッシュペーパー、ガム、浄水剤、缶きり、マッチ、タバコではないでしょうか?
Kレーション
もともとは降下後補給のままならない空挺部隊用に開発されたレーションですが、その優秀なパッケージングにより一般の部隊にも1942年に採用され、標準化されました。
Kレーションの中身
朝食ユニット :K-1ビスケット;K-2ビスケット;肉および卵M-ユニット;果物棒;粉末コーヒー;角砂糖;、たばこ、;チューインガム;、缶きり
昼食ユニット :K-1ビスケット;K-2ビスケット;チーズ製品M-ユニット;混合;レモン・ジュース・パウダー;角砂糖;、たばこ;、チューインガム;、マッチ、缶きり
夕食ユニット :K-1ビスケット;K-2ビスケット;食肉製品M-ユニット;チョコレートバー(Dレーション);Boullionパウダー、;たばこ;、チューインガム、;トイレットペーパー缶きり
のちに外箱のデザインが、一目で中身の判別が出来るように変更されました。
また箱は二重構造であり、中の箱は蝋引きで、多少の防水性も備えていました。
Dレーション

1937年に最初に出現するこのレーションは、各種ビタミンを配合し、チョコレート、砂糖、オート麦小麦粉、ココア脂肪、スキムミルクを混ぜてバー状にしてあります。
他のレーションが利用出来なかった時のみ、このレーションは、短期間、緊急的に使用することを前提とした非常食です。

重量約130gで、カロリーは合計600kcalありました。

さらに詳しく知りたい方はこちらのHPを参照してください。
第二次世界大戦までの米陸軍のレーションの歴史