MCI試食レポート
現用米軍戦闘糧食であるMREsが登場し、もうすぐ四半世紀になろうとしています。 つまり今回試食する旧米軍戦闘糧食であるMCIも、製造されてから20年以上経過しているわけですね。
それを試食しようと言うのですからかなり危険な挑戦ではありますが、缶自体の保存性能を調べると言う意味でも貴重なレポートになる・・はず? ともかく一度は食べてみたかったMCI、 体を張って試食レポートします!!
ただし最初にお断りしておきますが、今回入手したMCIは、製造年月日も組み合わせもバラバラで、比較的程度の良い物を選んで試食しています。 なにせ現在入手できるMCIの殆どは缶内部で発酵しているらしく、ガスが発生し缶が変形するほど膨らんでいたり、缶そのものが腐食して穴が開いて内部でミイラ化しているなど、あきらかに喫食に耐えないモノもありますので。
皆さんは絶対真似をしないように!、食べて体に障害が出ても責任もてません〜。
今回は資料を基に、実際に食べられていた状況を再現して試食します。
通常MCIは冷えたまま食べられていたのですが、状況が許す限り火を焚き、温めて喫食することもあったので、それを実践してみようと思います。
まずはB−UNITから開封。
今回B−UNITには クッキー(チョコサンド) ブドウのジャム
粉末ココア などが入っていました。
実はこのB−UNITはかなり珍しいタイプらしく、MCIの資料を提供してくれるNewport氏も、大缶でしかも中身がクラッカーではないB−UNITは始めて見たと驚いていました。
中からこのように美味しそうなチョコクッキーが3個出てきました。
チョコが横からはみ出して、かなり美味しそうです。
見たところクッキーやチョコの脂分が酸化しているなどの品質劣化は見られません。
クッキーの下には、小さいグレープジャムの缶が入っていました。
今回B−UNITにはビスケットの替わりにチョコクッキーが入っていたのですが、このジャムは一体何に付けるのでしょう??
さらにその下にココアパックも入っていたのですが、少しジャムが漏れていたので、缶に引っ付いて中々取り出せません。
そのままナイフでパックを切り裂くと、中からさらさらの粉末ココアがこぼれ出し、飲むのには問題なさそうです。
次にパウンドケーキを開封。
本来これらの甘味類は、食事の最後に食べる事により血糖値をあげ、食後の満足感を得る事を目的としているのですが、このパウンドケーキの缶をストーブとして利用するためにココで開けてしまいます。
B−UNIT缶を利用する事も出来るのですが、今回入手したB−UNITは大型の缶だったので、火が遠くなってしまうため小型缶であるパウンドケーキの缶を使用します。
中身はこんな感じです。
しっとりふわふわとしていて、まだまだ新鮮さを保っていました。
味は市販のカップケーキに近い感じで、それほど甘すぎず、とても食べや易いですね
でもジャムを付けるほどでもありません。。
今回のメインである TURKEY BONEDです。
コンバットバイブルなどでは「骨付き七面鳥」と訳されていますが、BONEDには骨を抜くという意味があり、つまりボンレス(BONE LESS)と同じ骨なしの意味です。
どんな物が出てくるのか期待しながら開封してみると。
このような塊肉がスープに漬けてありました。
缶はそれほど大きくありませんが、結構ボリュームはありますね。
匂いはほとんどありませんし、見た目も肉の繊維がしっかり残っていてほんのりとピンク色しているので、喫食は問題なさそう。
これはかなり当たりの部類に入るのでは??
しかし一応火を通してから喫食してみます。
ではここで、空き缶を使ったストーブの作り方を説明します。
まずは空き缶の側面に空気穴を数箇所開けていきます。
もちろん適当で構いません。
横風で消えないように、この程度の大きさの穴を数箇所開けておけばOK。
まあ軍支給の固形燃料は、相当強風であっても消える事はありませんが。
次にレーション用の燃料である「TRLOXANE]という固形燃料を缶の中に放り込みます。この固形燃料には
2種類のサイズがあり、 今回使用したのは小型タイプ。
ただし一般的に使われだしたのは70年代に入ってからで、それまでは
缶入り固形燃料が主に使用されていました。主成分がアルコールの缶入り固形燃料は火力が弱く、風の強い日は簡単に消えて使い辛かったようです。
メインを温めている間に、クッキー(ビスケット)やパウンドケーキ(フルーツ缶)などを食べます。
もちろんデザートを食後に残しておいても構いませんが、時間を有効に使うと言う意味で、食べられる物を先に食べていたようです。
今回付属していたチョコサンドクッキーは、現在市販されている物となんら変わりの無い、大変美味しいものでした。
結構厚みがあるので、3個も食べるとかなり満足感を感じます。
アツアツとまではいきませんが、良い具合に温まってきました。 かなり覚悟しながらまずは一口。
パク、モグモグ、・・・・・おっつ?結構美味いではないですか。いやかなり美味しいですよマジで。
なんとなく東洋人でもなじみやすいのは、何かに味が似ているから? そうだ!これって韓国料理のサムゲタン(鶏肉の丸煮)にそっくりな味だからです。
白濁したスープは、鶏がらを煮立てて採ったチキン(ターキー)ストックなんですね。塩味をベースに、余分な味付けが一切なされていないので非常に食べ易い。
これならあまり飽きが来ないでしょうし、どんな調味料でも馴染みやすそうなので。味に変化を付けるのも簡単です。
塩っ辛いMREの肉料理と比べても絶対美味しいです、こちらの方が。
いや、驚きました。まさかMCIがこれほどの物だったとは!!
MCIの味についてはあまり良い噂は聞きませんでしたが、このメニューに関して言えば、相当良く出来ています。
今回初めてMCIを食べる事が出来、本当に良い経験をしました。
これを譲ってくれたカメ一等兵殿には改めて感謝です。ありがとうございました。
カメ一等兵からはオマケにピーナッツバターの缶も頂いています。 これもついでに試してみましょう。
まずはP38(缶きり)で開封してみると、プシュっと言う音と共に中から水のような粘度の低い黄色い液体が噴出してきました。
僕の知っているピーナッツバターとは何かが違う??
少し発酵しているようなので、試食はやめておいた方が良さそうですね。
その時僕の頭に、不意にある冗談が思い起こされました。
「ピーナッツバターは結構役に立ったぜ、固形燃料としてな!」
これはピーナッツバターに飽きた兵士が、皮肉を込めて言った冗談ですが、バターと言うくらい油分の多いモノですから、ひょっとしたらホントに火がついたりして。
これは是非実験してみなければ!
果たして本当に火が付くのか??どう考えても揮発性は低そうなので、ガソリンのような燃え方はしないでしょう。
と言うことは熱で気化させて火をつけるのが妥当な方法。
つまり蝋燭と同じように芯に火をつけて、その熱で脂を溶かし、気化させ。火が燃え続けるという方法です。
芯には脂を吸いやすく、可燃性であり、身近にあるものと言う理由でアクセサリーに入っているティッシュを硬くねじり、それに火をつけてみることにしました。
紙であるティッシュは順調に燃えていきます。
問題はココから。
これは驚きました!
表面を焦がしながら燃え広がり、炭化した表面全体からかなりの勢いで炎が上がっています。
結局30分近くも燃え続け、結構な火力でしたのでキャンティーンカップ一杯分くらいのお湯は十分沸かせそう。
ススや煙も殆ど出ませんでした。
また夜には照明として、上手く使えばヘリの誘導灯代わりに使えそうなほどです。
(ローターの風で消えるから無理か)
でも冗談ではなく、本当に固形燃料として使えることが証明されました。
今回は貴重な体験が出来ました。 なかなかMCIは入手できませんが、もしもまた手に入る事があれば、他のメニューも試してみたいですね。
結局試食してから暫く経ちましたが、今の所は体に変化は現れていません。
ちなみにアメリカでは復刻版の安心して食べられるMCIが売られています。
こちらにBBSに寄せられた試食レポを纏めてアップしてありますので、ご覧ください。
復刻版MCI試食レポート
ちなみにこの固形燃料がない時は、C-4(コンポジション-4)と呼ばれる、一見青柳ういろうフルサイズ版(メーカー限定に)似た、俗にプラスティック爆弾と呼ばれる爆薬を使ってレーションを温める事がありました。
このC−4と言う爆薬はかなり破壊力があるのですが、信管を使わないと爆発せず、火をつけてもメラメラ燃えるだけ。ハンマーで叩いたってヘイチャラです。プラスティックといっても硬質ではなく粘土状の物でナイフ等で簡単にスライス出来、必要分切って使用していました。